まぁそがぁにはぶてんさんな

メインは仏教について。時々音楽や雑談もします。

「アイデアの力」を読んで ~文章を書いたり、話しをする時の注意点6つ~

チップ・ハース×ダン・ハース著

「アイデアの力」を読みました。

 

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文章を書くにしろ、講演をするにしろ、商品を売るにしろ、プレゼンテーションをするにしろ、以下の6つに気を付けようということを教わりました。

 

 

 

 

〇単純明快であること

法話を書く時よくやってしまうことの一つに、言いたい事が2個、3個と増えてしまうことです。どうしてもそれも言いたくなって、それも含めた構成にしてしまい、結局まとまらない、何が言いたいか分からない話になってしまいことがあります。

 

3つの言うのは、何も言わないに等しい

 

今回の話は結局何が言いたいのか、一言にしたらどうなるか、題名を付けるとしたらどんな題名にするのか、を常に意識しながら話を作らなければいけません。核を見つけなければいけません。

 

主張はあくまでも1つ!

 

話材を増やしていくことは簡単ですが、そぎ落としていくこと程難しいです。

 

しかし、自分が全くその分野のことを知らなかったら、どんな文章が読みやすか、どんな話が聞きやすいか、考えてみなければいけません。知らなかった時に戻るのは難しいですが、想像力をはたらかせることはできます。

 

その分野の専門になると、複雑な話をしたがります。本書では「知の呪縛」と言っています。自分の専門の分野になると複雑で一見分かりづらいものに魅力を感じてしまうのです。しかし、これは自己満足です。

 

単純明快で尚且つ深いもの。テーマを絞る作業が内容を考える作業よりより重要なのでしょう。

 

〇意外性があること

 

話の筋が読めてしまうと飽きさせてしまいます。予想を裏切るようなお話が良い。非常識な方が良い。

 

格闘技の試合の前などは煽りVTRが流れます。そのあおりがあるからこそ試合がより面白く見れるという面があります。この選手はどんな選手で、今回の対戦相手とはどんな因縁があって・・・という背景があった方が楽しめるというのです。

 

結果を待ち望んでしまうような、持っていきかたができたらいいですね。

 

知識を詰め込みすぎず、知識の隙間を作って興味を持ってもらい、答えを出す。その方がすぐ答えを言っていくよりも記憶にも残るのでしょう。

 

少々じらすの大切ってことですね。

 

〇具体的であること

5+5=10というよりも、5個のリンゴと5個のミカン合わせて何個でしょう。と言いった方がイメージしやすいし、考えやすいように、話しも抽象的なことを多用せずに、具体例を盛り込んだ方がイメージしやすいのでしょう。

 

どうも専門家になると抽象化することがえらいと思ってしまうようです。様々な具体例を引き、だからこうゆうことが言えますと抽象化し、一般化していきたいと思うようです。しかし、具体は具体のままだからこそ力を持つことがあるということを覚えておきたいものです。

 

「白いものを15秒間で思いつくだけ書きなさい」

「冷蔵庫の中の白いものを15秒間で思いつくだけ書きなさい」

 

これほとんど同じくらい書けるます。下の方が数は少ないはずなのに、具体的だからこそイメージしやすいんですね。

 

あえて、範囲を狭めて考えていくんですね。以前ペルソナということを教えてもらったことがあります。商品を開発する時、大勢をイメージするのではなくて、たった一人をイメージして(その人をペルソナと言うようです)、その人が買いたいと思うような商品を作るというものです。

 

一人の方のことを想像して、その人に聞いて欲しいお話を考えてみるのも大切かもしれません。

 

〇信頼性があること

 

統計や細部の鮮明な描写は信頼性を増す。聞き手が共感できるような話、あー分かる分かると思ってもらえるような話だと信頼性が増す。

 

法話で考えてみますと、自分の言葉ではなく、お経のお言葉、宗祖のお言葉、先達のお言葉をしっかりと語ることが大切かと思います。

 

また、板書の漢字を間違えない、とか、服装や見た目を清潔にする、とか、信頼を持っていただくためにできることは山程ありそうです。

 

〇感情に訴えること

 

数字や分析だけでなく、相手の感情に訴えること。

 

大衆を見ても私は行動しない。個人を見たときに私は行動する(マザー・テレサ P226) 

 

皆ではなく、「あなた」と呼びかける方がいい。
これを買った後、どうなるか想像させるような文句がいい。
メリットのメリットまで言及した方がいい。
何故?と何度も繰り返すのがいい。何故、これを大切にしないといけないの。何故これを買わないといけないの、学ばないといけないの、と何度も何故と自分自身に問いかけて人に伝わる言葉に落とし込むのが大切です。

 

私の場合だと、何故仏教を聞かないといけないの、何故お念仏なの、何故通夜や葬式をしなければならないの、という事を問い続け、言語化していないといけません。

 

〇物語性をもつこと

 これを購入したらこんな風な未来が待っているという物語。

その物語に入り込めると、次の行動に移れる。

物語は記憶に残る。

 

仏教はそもそも物語を大切にしてきました。その物語を単なるおとぎ話で終わらせるのではなく、自らもその物語の主人公になっていくことが大切だと思います。

 

まとめ

仕事上、気を付けなければいけないことが沢山ありました。備忘録としてブログにアップしておきます。

 

特に、テーマは一つに絞る!とか、信頼性を高めるというのは、常に意識していきたいポイントでした。

 

「知の呪縛」は仏教とも通ずる所がありまして、興味深かったです。

 

何の仕事をする方でも応用できる本だと思います。