易行の念仏
法然上人はお念仏は勝易の二つの徳があると教えてくださいます。
勝とは名号南無阿弥陀仏には万徳(仏になるための全ての功徳)が備わっていることを讃えられています。
易とは、お念仏は修しやすいことを讃えられています。
行住坐臥を簡ばず、時処諸縁を論ぜず
行住坐臥を簡ばずとは、お念仏は歩いている時でも、止まっているときでも、座っている時でも、寝ている時でも称えられること讃えていらっしゃいます。
また、時処諸縁を論ぜずとは、いつでも、どこでも、どんなご縁であっても称えられることを讃えていらっしゃいます。
お念仏以外の行ももちろん素晴らしいけれど、他の行は行住坐臥を簡び、時処諸縁を論じます。テレビを見ながら滝行はできません。
お念仏は易行です。どんな時、どんな所、どんなご縁でも喜んでいけるんですね。
私は結婚式をお寺で挙げました。指輪交換なんかはありませんで、お念珠の交換があります。
その交換の時、私は「この人と一生連れ添い、共にお念仏をよろこんでいくんだな、このお念珠大切にしよう」と嬉しくなりまして、ふいに「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」とお念仏がでたのです。すると妻が私のことをギョッとにらむのです。
結婚式が終わってから、妻が真顔で「何で結婚式でお念仏するの!?お念仏ってお葬式で称えるもんでしょ!結婚式でお念仏ってどーなん!?」って言ってきました。
確かに、一般的にはお念仏とゆうのは人が亡くなった時に称えるものと思われています。
しかしそうではありません。悲しいご縁でも、嬉しいご縁でもどんなご縁でも称えていける、どんな時でも阿弥陀様がご一緒であることを確認していけるのがお念仏です。それが易行の醍醐味です。
私たちの生活と共にあるのがお念仏です。